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イーハトーブの旅2012③豊沢ダム・なめとこ山と「研究発表」 [旅]

最終日の朝は、いわきのOさん、旭川のOさん、京都のHさんにお付き合い頂いて
大沢温泉からさらに車でさかのぼって豊沢ダム湖となめとこ山を見に行きました。

今年は渇水でダムの底がほとんど見える状態。
写真+1.JPG

写真+4.JPG

豊沢ダムの場所には、かつて豊沢の村がありました。

賢治の詩『渇水と座禅』は、ヒデリに苦しむ農民の姿が描かれています。

二五八
     渇水と座禅

                  一九二五、六、一二、
   にごって泡だつ苗代の水に
   一ぴきのぶりき色した鷺の影が
   ぼんやりとして移行しながら
   夜どほしの蛙の声のまゝ
   ねむくわびしい朝間になった
   さうして今日も雨はふらず
   みんなはあっちにもこっちにも
   植えたばかりの田のくろを
   じっとうごかず座ってゐて
   めいめい同じ公案を
   これで二昼夜商量する……
   栗の木の下の青いくらがり
   ころころ鳴らす樋(ドヒ)の上に
   出羽三山の碑をしょって
   水下ひと目に見渡しながら
   遅れた稲の活着の日数
   分蘖の日数出穂の時期を
   二たび三たび計算すれば
   石はつめたく
   わづかな雲の縞が冴えて
   西の岩鐘一列くもる

昭和36年に完成したこの豊沢ダムによって花巻地域の水不足は解消されました。
賢治がもし長生きして、このことを知ったらよろこんだでしょう。
ただ、そのために水底に沈む故郷を散り散りに離れるしかなかった人々のことは
決して胸から去ることはなかっただろうと思います。


ダムをさらに上流へ行くとなめとこ山の見える場所に。
写真+3.JPG
中央の山が「なめとこ山」です。

橋の中央にこんな透明の看板が立っていてすぐわかりました。
写真+2.JPG

なめとこ山は道が整備されていないので登山はできないとのこと。
う~ん、やっぱり小十郎しかムリなのか。
残念なような、それでいいような…。

その後、花巻の町に戻って、イーハトーブ館へ。
宮沢清六さんが撮ったイギリス海岸の写真展をやっていました。
旭川のOさんに珈琲をご馳走になってから
第22回宮沢賢治学会イーハトーブセンター研究発表会を聴きました。

発表会についての主な感想は「番外編」で記事にしたとおりです。
実は私には難しくて、要旨を読んでも
感想どころか手も足もでないものもなきにしもあらず…(汗)

11時半に発表が終わり、
Hさんも私ももう帰らねばならず、みなさんにご挨拶してそれぞれ空港と新幹線駅へ。
後ろ髪をおもいきり引っ張られながら帰途につきました。
途中降った雨が上がり、車窓から大きな虹を見ました。

お世話になったみなさん、
お知りあいになれたみなさん、
お陰様で濃密で素晴らしい旅行になりました。
ほんとうにありがとうございました。

また来年もよろしくお願いします。
(…と早くも行く気でおります)
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コメント 2

佐々木伸行

 写真を拝見して、湖底の緑が目につきます、今年はかなり早い時期から、露出していた部分が多かったのだ(草が生える)と思います。
 渇水の年だったのですね、下流域の旱(ヒデリ)を防ぎ、昔の集落跡を
見せて居るものと推察をしています。
 「ダム竣工50年」のDVDでも貯水効率の良さが言われてました。

 コンクリートの構築物など、何も無く(もともと)、余にも永く帰ることの無かった所為で写真から湖底の場所を特定できないでいます。
 集落の上の畑地ではないかと思いますが、自信はありません。 

 遅れましたが、故郷をとり上げていただき有難うございます。
by 佐々木伸行 (2012-09-30 10:30) 

signaless

佐々木伸行さま
コメントありがとうございます。

あそこは畑だったのかな、道の跡にも見えるね、と皆で話ながら眺めていました。
佐々木さんとの出会いがなければ、私も豊沢村のことに関心を持つ機会はなかったかと思います。
今では賢治の歩いた頃の風景とはまったく違ってしまっていますが、送って下さった資料やDVDのお陰で、その面影を垣間見ることができ、ほんとうに有難く思っています。

至る所に「熊出没注意」の看板があり、
少しばかりスリルも感じながらのドライブでした。

できたらまた来年も行ってみたいです。

by signaless (2012-09-30 11:05) 

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